2007年10月29日月曜日

マンションの海外事情と日本

マンションには大規模な団地形式のもの、狭い敷地に建てられたもの、雑居ビル型やリゾート型、古いもの新しいものなどいろいろなものがあります。住んでいる人も様々です。だから、マンション管理の方法はその数だけあるといっても良いのです。
まず最初に、海外のマンション事情を見てみると、まず、数からいくと圧倒的に多いのは韓国です。2000年現在の韓国の全住宅数の47.8%がマンションです。ソウルでは51.8%となっています。法律制定は日本より10年ほど遅れていますが、10年ほど前に共同住宅管理士という制度ができています。上海では、マンションの建築ラッシュですが、マンション管理という概念がまだ生まれていないようです。
イギリスでは19世紀から集合住宅がありまが、その所有の形態はかなり日本と違っています。フラットと呼ばれ、開発業者が土地を手に入れ、建物を建て、共用部分はそのまま所有します。専有部分のみを分譲して、専有部分の購入者が土地・建物の共用部分を長期間借りるという形態のものがほとんどです。専有部分の所有者が共同して管理を行うことはなく、行われた管理に対して請求された金額を払うのみです。
もちろん、日本のマンションと同じ所有形態のコモンホールドというものもありますが、これに関しては、現在アメリカ等を参考に立法化しつつあるところです。
アメリカは比較的わが国と近い管理組合の機能や仕組みになっています。アメリカと日本との大きな違いは次の4です。
1. 規約・居住ルールの他に、建物の概要・権利関係・維持補修等の決議要件の割合・譲渡に関する制約等が定められている「宣言証書」が設置されています。
2. 積立てるべき修繕積立金を法律で明示してあります。
3. 民間の紛争処理専門会社にトラブルの解決を依頼する。
規約に明記し、紛争処理専門会社と契約締結しておきます。
4. 管理者の設置が義務付けられていません。ドイツ・フランスでは管理者の設置義務が法律化されており、管理業者が管理者になるのが普通です。管理業者が管理者として行動します。日本の管理業者(管理会社)とは違います。日本の場合は規約で理事長を管理者として置いていますが、「管理者をおくことができる(区分所有法3条)」と任意となっています。専門の管理業者が理事長の仕事を行うのです。日本においても、管理者制度の活用と信託を利用した管理が検討されていおり、今後の動きが注目される。