2007年10月11日木曜日

マンション購入支援の活用

マンションを購入するにあたって、有料の購入支援サービスを利用する人が増えてきている。ところが、現行の購入支援サービスは建築士などが中心になっているため、どうしても建物のハードや設備に偏りがちであるように見受けられる。
現在、一番需要が多いのが内覧会への立ち会いである。購入者が自分たちだけではきちんとチェックできないと悟っているのは大切なことだが、内覧会というのはできてしまった建物の検査であり、この時点でできるのは手直しの要求だけとなる。
それぞれが思い入れを持って購入したマンション、より完全な形で鍵を受け取りたい気持ちは良く解るが、内覧会の時点では購入支援サービスにできることは極めて限られているのであり、購入支援サービスの本質は全く別の所にある。
住宅は既に余っている。駅前の好立地でも空室の目立つ賃貸マンション、売却が難しく値下がりする一方の通勤不便地の分譲マンション、かたや築20年を過ぎても値上がり益が見込める分譲マンション、日本の住宅市場では同じ住宅でも物件の良い、悪いの差がはっきりと付いて来ているのである。今後、この差は広がることさえあれ縮まることはない。このような状況にあって、不動産を所有するということはもはやステイタスとは言えない。換金の難しいマンションは「資産」とも呼べないのである。あなたの周りにもマンションを売ることもできず、高金利のローンの借り換えもできない人が必ずいるはずである。住宅を、借りるのか、買うのかは、ライフステージの段階ではなく、個人と家族の価値観の問題へと移り変わっている状況を鑑みると、あなたが支援を必要とするのは、買うのかどうか、買うならどう買うか、を決定する過程で、なのである。
マンションを購入しようとするとき、あなたは何を買っているのか本当に理解できているだろうか。「こんな所に梁があるなんて思っていなかった」「向かいのマンションからリビングが丸見えだ」内覧会の時に気づいても遅いのである。モデルルームを見て、その雰囲気に乗せられて購入することの危険性は度々指摘してきたところであるが、他にも、営業マンの言いなりの資金計画、購入者側に不利な契約書面、ローン特約・買換特約の落とし穴など購入を決める前に考えて欲しいことはたくさんあり、その過程にこそ不動産に関する知識を有し、経験の豊富な者の意見を採り入れる意味があるのです。