2007年10月8日月曜日

建築現場から判る事

マンションの建築現場を見てみよう!見せてくれるの?と思う人が多いでしょう。安全上の問題があり急に「今から見学させろ」と言っても無理でしょうが、自分たちが買おうとしているマンションがどの様に作られているかは重要なことです。最近は工事現場が見られる事を売りにしているマンションが現れています。
注文建築の場合であれば、現場に通って、大工さんの仕事をチェックしますよね。しかし、マンションの場合はなかなかチェックできないのが、実状です。また、専門家でないと判断ができない事も多いです。しかし、建築工事の工程表や職人さんの規律・現場監督の応対で、工事の質が見えてきます。
例えば、コンクリートの工事ですが、下階から順番に工事が進んで行きますが、コンクリートの強度を保つためには各階10~14日の間隔が必要なのです。しかし、工事日の短縮のために、まだ固まっていないのに、コンクリート工事をどんどん進めていくような場合は要注意です。このコンクリート工事と密接な関係があるのが、鉄筋の不備のチェックです。鉄筋が図面通りに配筋されているかのチェックの時期と、次のコンクリート工事の工程が近いと、全体の工期が遅れてしまうため、そのまま工事が進められていく可能性があります。マンションが完成するまでには、沢山の業種の工事が行われます。それぞれが、工程表に基づいて流れ作業で次から次へと進んでいきます。前の工事が遅れると次の工事が出来ないのです。
そして、1つの作業の中でミスがあると、全てが遅れてしまいます。そこで、現場の責任者の知らない所で不完全な補修や工事のまま、どんどん進んでいく事になります。
また、大工仕事であれば、その大工さんが関わった部屋は全て時間に追われて荒っぽい仕事になります。例えば、マンションの大工仕事の分担が縦割りで編成されていれば、各階の4号室に大工仕事のクレームが集中したりします。大工仕事のミスが全ての工事に影響したのです。
マンションは人が作るもの、業者・職人さんの質によって工事の質が変わってきます。マンションの建築現場を直接見られなくても、どんな工事業者・職人さんが出入しているかを見るだけで、内容の予想はつきます。毎朝の建築現場の朝礼を見るだけでも、きっちり確認作業をしているか解ります。また、建築現場は現場監督次第とも言われます。監督がうまく行われていれば、良い仕事につながります。現場監督に会って、話をしてみるだけでも工事の質を知る事ができるのです。専門知識がなくても工事の質を判断する方法はあります。