2007年11月6日火曜日

住宅ローンの返済期間

不動産会社に作成してもらったという資金プラン表の住宅ローンの返済期間の設定は、ほぼ最長の35年である。その理由はこうだ。借入額が同じである場合、返済期間を長く設定すればするほど、毎月返済額が少なくなる。だが、忘れてならないのは、最長期間による返済は、完済時までに支払う利息の総額が最大となることだ。つまり最長期間に基づいた資金プラン表は、毎月返済額を最小に見せるものであり、その影には、支払い利息の総額が最大となる裏の顔がある。住宅ローンを利用者は、返済期間に無頓着である。目先の金利の低さばかりに心を奪われ、超長期にわたって支払い続ける住宅ローンの総額がいったいいくらになるのか、計算したことがあるだろうか。3000万円を3%。元利均等返済35年間で試算すると、支払い総額は約4850万円。利息額は約1850万円にもなる。これが25返済であれば、支払利息の総額は約1270万円。580万円の差額となる。1年単位で短くできないかという課題にもっと真剣に取り組むべきである。
返済期間の設定にあたっては、「定年までに」の合言葉があるが。住宅ローンを勤労収入のあるうちに完済しようと考えるのは当然のこと。しかし、現状を考えると、35歳の会社員が35年の住宅ローンを組めば、完済は70歳となる。定年後の10年間、公的年金の支給が65歳からとなる。定年後も働くか、貯蓄を取り崩すか、退職金で完済するか。どれも現時点で考えると心細く安心できるものはない。借り入れ時に、自分にとってのベスト返済期間を見つけ組むことが一番である。賢い返済期間の選択が必要である。