「えっ!?ここのマンション事務所やっていいの?」「犬飼ってる?何で?」「駐車場は順番待ち??何年かごとに抽選だって聞いたのに!」
入居後、建物の不具合の他にこういった問題が出てくる。そして、そういう不満から、その問題の対象である居住者に対する偏見が生じることもある。
こういったことは、購入前に管理規約や使用細則等の案を読んでいればわかること。規則どおりの行動をとっている人は決して悪くはない。住民同士のちょっとしたいさかいは、勉強不足による無知から生じることが多い。
ある管理組合で起こったことだ。「・・庭のあの木は邪魔ですよね。うちは切りましたよ。」「そうそう、家も庭に水をまくのに、壁に穴あけて水道通したんですよ。」「えっ!木を切った?!壁に穴あけた?!」総会で判明したこれらの事実に、皆はポカンと口をあけただけで何もいえなかった。
外壁や専用使用を許された庭は、皆の共用部分である。共用部分に細工を加えるには、総会の決議が必要だ。決議なしで自分で勝手に工事をすることはできない。管理規約をきちんと読みこなしていれば当然にわかることだ。しかし、法律条文に近い管理規約等を読みこなしている住民は少ない。
マンションにはルールがある。それを守らないで周囲に迷惑をかけ、トラブルになる例は後を絶たない。ごみ出しのルールを守らない住民に対し何度か注意をした理事長が刺殺された。
マンションを購入した。一家の主になった。これは、専有部分を好きにできる権利を買ったということだ。共用部分は皆で買ったもの。トラブルをまねかないためには努力がいる。
住民の中には、マンション管理に興味を持って熱心に勉強する人もいる。その人が穏健な人ならば、その知識を上手に利用できるように仕向けてくれる。しかし、勉強家は、えてして批判的になってしまう。知識を振りかざし理事たちに攻めかかる。一方理事は、とにかく自分の代だけ何とか攻撃から逃れようとする。
理事が輪番制で交代する管理組合で、定期総会(理事の新旧入れ替わりがある)の1か月前に、「全理事不信任案」が可決された。自称勉強家?のなせる業であった。管理組合は静かになった。住民の互いの雰囲気がよそよそしくなった。
ある勉強家は、管理会社の仕事の費用対効果について疑問があるとして理事に何とかしろと詰め寄った。理事たちは、知識を求めて管理会社に擦り寄った。管理が住民のものでなくなった。管理会社のいいようになっていく。勉強家は、自分の所属している組合打倒に燃えている。
マンションは所有者皆のもの。所有者皆で管理責任を自覚し、コミュニティ形成に努めるもの、管理規約にもそう書いてあるのだが、意見の違い、方法論の違いが管理組合を崩壊へ導いていく。