2007年11月26日月曜日

賃借人の独り言

ある分譲マンション賃借人の独り言です。なんか、妙に説得力があります。

私の住んでるマンションで、去年、駐車場の工事がありました。
これといってどこかにヒビが入っているようでもなく、地面がデコボコしてるわけでもなく、どこをどない直すねん?と疑惑の目を向けてたんです。
 だいたい、1Fの掲示板というものをあまり見ないんです。
というより、『関係ないわ』と思てるんで、気にしてないていう感じです。
それで、最初はもっと緑を増やして公園にでもするんかいなと思てました。その内、駐車場の工事やとわかると、『ほな、2階建ての駐車場にするんかいな』と思たんです。
どこのマンションでもそうですが、マンションの戸数に対して駐車場の件数が足りないんです。ずっと空き待ちだったり、近くの駐車場を借りたりして大変なのが現状です。
 ある日、気がついたら車がすっかり無くなって、『あの車はどこ行ってん?』と思てたら、
すぐ前の大阪市所有の空き地に並んでました。ということは、工事中の間借り代も要るっちゅうことやね!
ところが、出来上がったのは、前のとどこがどない違うねん?というくらい同じ様な代物でした。強いて言えば、コンクリートの表面がツルツルしてるくらいのもんです。
『なんじゃこりゃ!』
いったいこんな工事にいくらかかったんか、皆な知ってんのかいな?ほんまにこんな工事を期待してたんかいな?皆な騙されてるんとちゃうか!修繕積立金が知らん間に減っていくでえ~。ほんまに修理せなあかん時にお金が無いって事になりかねへんでえ~。
例えば、エレベーターとか。そう言えば、このエレベーターやけど動かへん事がありましてん。エレベーターのボタン押しても、ランプがつけへん。あれ?どうしたんかなと思て、階段を見たら非常灯も点いてへん。こりゃ、停電や!11階からフーフー言いながら、やっと1階までたどり着いたら、管理人室にチラホラ人が集まってました。中から漏れる声は、「もうすぐ、関西電力の人が来ますから・・・」というばかりで、もうひとつ要領を得ません。入れ替わり立ち替わり住人が来ても同じ返事ばかり。しゃーないなあ、とハーハー言いながらまた11階まで階段をあがりました。
停電したとわかった時点で、アナウンスするとか何か手は打てた筈やのに、何もせえへんとは、危機管理についてどない認識しとんねん!老朽化したエレベーターの取替についても、住人がどんどんジジババになっていくのに車椅子対応にもなって無いし、な~んも考えてないようですわ。いったい、この先30年・40年と老朽化していくマンションに希望はあるんでっしゃろか?住人自身がジジババと分譲価格が安くなって若者に二極分化していく中で、修繕や立替はどうするつもりかいな?『私はお気楽な賃借人やから関係ないけど』と、最近またやり換えたエントランスのスロープのタイルを見ながら思うのでした。

マンションの購入知識2

築25年の分譲マンションは大阪のほぼ中心に位置し、便利が取柄の町です。
最近、廊下から見下ろす景色が毎日ちょっとずつ変わっていきます。目の前に新しいマンションが出来つつあります。それも2物件もなんです。もちろん、建築も販売も違う会社のようですが、おまけに生協の配送センターまでできるんです。
こんな広い土地が都会のド真ん中にようあったな~。実は、某飲料工場の跡地です。
まず、1つ目のマンションがバス通り沿いに出来たでき、あんな道路沿いにベランダなんか作って煩くてかなわんと思っていたのですが、もう年内には入居出来るらしくて、なんと、完売です!物好きな人も居るものです。そして、2つ目のマンションが道路の奥側に出来てるです、1つ目のマンション買った人は、この事知ってんのかいな。これって、騙しちゃうの?2つの会社がつるんでるんとちゃう?何でって、2つとも一緒に出来てたら、誰かって静かな方を買うに決まってもんね!2つ目のマンションを買った人は偉い!
さすが、見る目があったというもんや。ところがドっこい、世の中そんなに甘ないでえ。
最後に控えてたんは、消費者の味方・天下の生協やったとは!恐れ入りました。配送センターなんか出来た日にゃ、明け方からガタガタ(商品の音)・ブーブー(トラックの音)煩うて、おちおち寝てられまへんでえ。まあ、これでお互い様ていうことやね。
 こんなマンション買うた人、アホちゃうか!周りの事もよう調べんと。
そやけど、やっぱり、売る方も売る方やな。最近、金利が低いのをエサに、『今、買うとかな、いつ買いまんねん?』とか何とか言うて、うまいこと買わしたんとちゃいまっか?
 マンションの工事が始まった時は、
『ああ、ええなあ~。大理石の玄関で、最新式の生ゴミ処理付きの台所で。こんな古い設備のマンションを売って!新築のマンション買をか!』って思っていたけど、こうなってみると、買わへんかったのが、せめてもの救いって事やろか?それとも、これって、貧乏人のただの僻み?

マンション管理の現状

マンションには大規模な団地形式のもの、狭い敷地に建てられたもの、雑居ビル型やリゾート型、古いもの新しいものなどいろいろなものがあります。住んでいる人も様々です。だから、マンション管理の方法はその数だけあるといっても良いのです。
まず最初に、海外のマンション事情を見てみると、まず、数からいくと圧倒的に多いのは韓国です。2000年現在の韓国の全住宅数の47.8%がマンションです。ソウルでは51.8%となっています。法律制定は日本より10年ほど遅れていますが、10年ほど前に共同住宅管理士という制度ができています。上海では、マンションの建築ラッシュですが、マンション管理という概念がまだ生まれていないようです。
イギリスでは19世紀から集合住宅がありまが、その所有の形態はかなり日本と違っています。フラットと呼ばれ、開発業者が土地を手に入れ、建物を建て、共用部分はそのまま所有します。専有部分のみを分譲して、専有部分の購入者が土地・建物の共用部分を長期間借りるという形態のものがほとんどです。専有部分の所有者が共同して管理を行うことはなく、行われた管理に対して請求された金額を払うのみです。
もちろん、日本のマンションと同じ所有形態のコモンホールドというものもありますが、これに関しては、現在アメリカ等を参考に立法化しつつあるところです。
アメリカは比較的わが国と近い管理組合の機能や仕組みになっています。アメリカと日本との大きな違いは次の4です。
1. 規約・居住ルールの他に、建物の概要・権利関係・維持補修等の決議要件の割合・譲渡に関する制約等が定められている「宣言証書」が設置されています。
2. 積立てるべき修繕積立金を法律で明示してあります。
3. 民間の紛争処理専門会社にトラブルの解決を依頼する。
規約に明記し、紛争処理専門会社と契約締結しておきます。
4. 管理者の設置が義務付けられていません。
ドイツ・フランスでは管理者の設置義務が法律化されており、管理業者が管理者になるのが普通です。管理業者が管理者として行動します。日本の管理業者(管理会社)とは違います。日本の場合は規約で理事長を管理者として置いていますが、「管理者をおくことができる(区分所有法3条)」と任意となっています。専門の管理業者が理事長の仕事を行うのです。日本においても、管理者制度の活用と信託を利用した管理が検討されていおり、今後の動きが注目される。

マンションの購入知識1

マンションモデルルームではバーゲン会場の様な喧騒がくりひろげられている。
最近はマンションの販売初日に販売戸数以上の募集があり、抽選でという事も少なくなったが、それでも自分の気に入った間取りや場所を確保するために、大変な騒ぎになる。
マンション購入は一生一代の買物であるが、その場の雰囲気の中で奪い合う様に仮押さえがされていく。見る見る内に“赤いバラ”で壁が埋め尽くされていく。
この中にマンション購入に当たって、近隣の環境や施設などについて、ゆっくりと調べている人がどれ程いるのだろうか?
新聞折り込み広告を持ち、夢を膨らませてモデルルームへ向かう人が大半であろう。間取りや夢の最新設備に目を奪われ、広告の下の小さな文字なんて読む人もいない。
本当は大切な事が沢山書いてあるのに、読ませないために、わざと小さく書いてあるのかなぁと思ったりもする。
広告には近隣の美しい公園の写真や小学校などのきれいな写真、そしてモデルルームが夢のマンションライフを演出している。
モデルルームに入ると、ちょっと小さめのオシャレな家具が置いてあって、ゆったりとした空間が広がっている。しかし、そんなモデルルームは標準的な間取りなので、実際には同じ間取りでも階数によって少し広さが違います。現実に家具を並べられなかつたり、入居したら天井が低いような気がするという事になります。
 モデルルームにあるのは現実の生活ではなく、夢のマンションライフです。
また、モデルルームで解らないものも沢山あります。雨が降ると自転車が濡れ、老人や子供には使えない駐輪施設、窓を開けると強風が吹き抜けてドアが大きな音をたてて閉まり、洗濯物は外には干せない。子供達は外に遊びに行かない。そんな超高層階の生活は、モデルルームには存在しないのです。
モデルルームで夢を買おうとしているあなた!
マンション購入は、共有の建物・設備・敷地を買い、共有の建物・設備・敷地を管理する義務と責任を負うことです。夢だけを買ってしまうと、すぐに現実の世界にひきずり戻されてしまいますよ!マンション購入時に冷静になって、将来貸せるか?売れるか?を考えてみることも必要です。

マンション購入の基礎知識3

巷では、今が買い時であるとか、賃貸より購入が有利だとかの宣伝文句が渦巻いている。マンションを終の棲家だと言う人までいる。
最後に判断するのは購入者である。決して、販売会社や不動産業者の甘い言葉に乗ってはいけない。借りる、購入するとの判断の中で、あえて購入するのには、購入者自身の将来設計があっての事であるはずです。
不動産価値の多極化が進む中で、購入を選択するのであれば、20年~30年後の「資産価値」とそこで住んでいる自分をイメージする事が必要です。マンションの購入を検討している貴方、購入しマンションが20年~30年後にどんな状態になっているかを予測して下ださい。転売、賃貸ができるか、建替えが可能かなどです。そこに住んでいる自分達家族がイメージ出来ますか?大事なことです。
賃貸が有利か、購入が有利かの判断は難しい問題です。その人のライフステージによって変わるのです。家族構成や年齢により何年間、今、希望している間取りのマンション住む必要があるのか?考えてみて下さい。そして、マンションを購入する時には、例えば20年~30年後に売却すると仮定してシュミュレーションをしてみて下さい。20年~30年後の売却予定価額を元に、ローン返済額やその他の費用を計算すると、20年~30年間でどれだけの総費用がいるかが見えてきます。そうすると、賃貸が有利か購入が有利かが判断できます。昔のようにバブルでマンションは値上がりするなんて考えないで下さい。
マンションの購入を考えている、貴方、もう一度冷静に考えて下さい。今までのマンション購入のプロセスの全てが間違っているのではと思うことがありませんか。何故、完成もしていない物を奪い合うように購入するのだろう。中古マンションであれば、まだ、確認出来ることが沢山あるのだが。ましてや、不況の今、若者が中古のマンションを購入する。確かに、毎月の賃料より低いローン返済でマンションが変えるとの謳い文句は胸にしみる。そのことを検証した人はいるのだろうか?今、バブル期にマンションを購入した人より賃貸住宅に住んでいた人の方が自由な生活を送っている。彼らは、買えなくて良かったと思っている。そして、今なら安くマンションが変えると思っているのです。マンション購入の判断は、その要因が複雑で、将来はどうなるだろうなんて考えると嫌になってしまう。最近では専門家の知恵を借りてマンション購入をしようとする人が増えている。マンション購入プロセスが変化しつつあると言える。賢いマンション購入者が増えることは喜ばしいことである。

超高層マンションと住環境

1. 一般的な問題点
日常生活に視点を移すと、内廊下型のものでは空調の不備から夏場は玄関からエレベーターに乗るまでに汗がどっと吹き出てとても和服での外出はできないとか、玄関ドアを開けた瞬間、バルコニー側のサッシが開いていたために強風により室内ドアが吹き飛ばされたなどの設計上の問題のほか、先端の免震・制震構造の建物でも、微妙な揺れに対する「ピル酔い」を訴える例もある。日影や風や電波障害の影響範囲も広がる。
また、高層居住による高さ感覚の喪失、出不精による親子の過剰密着、幼児の自発行動の遅行などの現象が指摘されており、これらが将来、居住者の人格形成にどのような影響を与えるかは予測できない。
2. 所有形態による問題点
 超高層マンションの所有形態による問題は、一部を除いて、複合用途形態をとっていることにある。
 多くの場合、3階までの低層部は店舗、事業所が占め、さらに自治体のコミュニティ施設が併設されていることも珍しくない。また、地下駐車場が設けられていることが多い。超高層マンションが至便な場所に立地し、再開発事業や市街地整備促進事業に拠っていることの結果である。また、低層階住戸を低減させる販売上の意図が働いている。低層部は旧地権者が大口所有や開発時の事業主体が所有する場合もある。また、数棟からなる団地形態をとる場合、一棟だけを事業主体が一括所有し、賃貸棟とする場合もある。つまり、団地形態をとる場合には複合用途区分に、さらに複雑な権利区分が加わる。例えば、地下駐車場、アスレチックルーム、談話室などは、構造的に区画され、独立した用途をもっており、容易に専有部分になり得る。

3. 管理形態による問題点
 超高層マンションの複雑な所有形態に対して、近年、分譲されたものは、「マンション標準管理規約」の複合用途型、団地型に準拠して管理規約を設定している。しかし、1990年前後までに供給されたものでは用途区分が管理規約で厳密に規定されていなかったり、「マンション榛準管理規約(団地型)」にいう団地共用、棟共用の概念を明確にしていなかったりするものも珍しくない。管理組合内部にさまざまな課題を内在させていることをも示している。
 ちなみに、団地型・複合用途塑超高層マンションのひとつの典型では、まず団地管理組合を置き、棟ごとの規模が大きいので棟ごとに管理者を選任し、棟別管理組合を設置した上で、用途別管理組合、または部会を構成する。ところが、団地型であっても棟共用の区分がなく、棟別管理組合を設置していない場合は、往々にして棟ごとの意見を調整することが容易ではなく、全体合意を図ることの困難である。
 また、単棟型・複合用途型超高層マンションで用途別管理組合、または部会がない場合、住宅部分の所有者が事業所・店舗などの「一部共用部分」の管理に関わり、事業所・店舗の所有者が「住宅共用部分」の管理に関わることになり、ここでも、それぞれの利害の調整が容易ではない。
 団地管理組合を置き、棟別管理組合を設置した上で、用途別管理組合、または部会を構成する場合でも、マンション全体の管理を円滑に進めていくにはさまざまな課題がある。用途別運営を徹底することは「一部共用部分」ごとの個別性を高める結果となり、全体としての統制を維持できない。

4 住環境としての高層マンション
 環境適応力という点から見ると、問題となる年齢層・時期は、適応力が未熟な乳幼児・子ども、適応力が低下しつつある高齢者、そして胎児への影響を含めて生理的・心理的に微妙な時期にある妊産婦の三つである。
 高齢者にとっては、高層集合住宅はエレベーターを利用して移動が容易であること、都市の利便性から歓迎され、都心の超高層マンションヘの回帰が進んでいる。この高齢者の視点はさらに強調されるであろう。
 高層居住の母子の健康影響に関する研究は、欧米ではすでに1960年代後半から行われ、高層居住に対しては賛否両論があるが、居住者の生活への影響の面から、一部のヨーロッパ諸国では高層住宅そのものが新たに建てられなくなったところもある。 
 一般の育児環境と違う、20階以上を想定した“超高層”という点であるが、高さにして50~60m程度以上ということになるが気象環境としてみるならば、気温は殆ど地上と変わらず、気圧も地上に比べてせいぜい8~10ヘクトパスカル程度低いだけである。風が強く、窓を開けにくい、洗濯物の出し入れが大変など、生活に微妙に影響する。消防車のはしごも届きにくい高さであるが、これらの条件が生理的に直接、人体に影響を及ぼすことは考えにくい。
高層居住の特性と題点。
(1)居住者が外出しにくい
(2)乳幼児の成長発達がゆがめられやすい
(3)緊急時の避難が難しい
(4)事故、犯罪への不安感が強い
(5)住環境ストレスを受けやすい
(6)母子間の心理的密着過剰を起こしやすい。
(7)生活行動(行動生態)に変化を起こす0
 高層住宅ではほとんどの場合、外出にはエレベーター(EV)を使わざるを得ない。大人は自分で外出できるが、背丈の小さな幼少児はEVボタンを押せないため、親と一緒でなければ外に出られない。親がこまめに出ればよいが、出不精であると子どもも外出ができず、遊びにもいけない。高層階居住による心理的開放感や優越感、眺望のよさを好み、他人との付き合いを好まない親の場合はさらに外出しなくなり、したがってそのしわ寄せは子どもにいく。そして、EV内犯罪や子どもが関わる犯罪・事件が頻繁に報じられるようになると、親も子どももあまり外出をしなくなってきた。子どもの成長発達の面から考えると良い影響があるとは考えられない。高層団地の幼稚園児の母親約600人に対して行った調査によれば、61%の母親はEVにのる際に何らかの不安を感じ、さらにそのうち約60%はEV内の犯罪や痴漢を気にしていることがわかった。
 高層居住児の生活習慣の自立の遅れを指摘し、その原因として外出不足に基づく、母子間の心理的密着過があげられる。社会状況により外出しなくなり、乳幼児の成長発達の遅れが現れている。
 高層住宅が生理的に直接、子どもに影響するとは考えにいが、行動や心理学的影響が問題となる。高層住宅のとりわけ高層階に住む子どもは外出せず、外出しにくい環境にある。小学校や中学校で、たった教室が1階にあるか、2階か3階にあるかというだけで子どもたちの外出頻度は大きく異なる。休み時間などに3階の子どもたちは校庭にあまり出てこない。
外出しにくい環境は母子を高層空間に閉じ込める、母親と子どもの聞には過度の物理的、心理的密着状態がうまれ、子どもの心理的・精神的な自立が遅れ、成長発達の遅れも出てくる。
 高層居住の影響を考えなければならない層として妊産婦がある。高層居住は外出不足を招きやすいことから妊婦、胎児への影響を示唆する報告もある。高層群では流早産や死産が多いという報告も一部にあるが、まだ科学的な裏づけが十分ではない。東京都内の高層集合住宅地区で行った研究では、例えば、生下時体重を高層(n=72).低層(n=166)、戸建(n=74)についてみると、高層(3,087g)>低層(3,058g)>戸建(2,996g)となり、高層群のほうが生下時体重は大きい傾向にある。出産予定日は、集合住宅群は戸建群よりも“予定日通り”の割合は小さく集合住宅でも、高層群は低層群より“予定日どおり”は少なく、“早い”か“遅い”に分けられる傾向があった。ストレス対策として、お酒やタバコに頼る母親についても併せて考えていかなければならない。なお生理痛・生理不順の頻度について、同じ高層団地に住む幼稚園児の母親(n=531)と保育園児の母親(n=326)を比較すると、幼稚園児の母親では高層群にその頻度が高い傾向があり、逆に幼稚園児の母親では低層群にその頻度が高い傾向が見られている。これらの差異については、生活行動、ライフスタイルなどの因子の影響を含めて更に分析を要する。
 子どもは高いところが好きである。高層住宅に住む場合は高所感覚に麻痺した子どもは好奇心とあいまってベランダの柵にまたがったり(いわゆる高所平気症)、高所から物を投げ落とす辛がある。転落事故や、落下物事故が起こるまでその危険性を実感できない。1995年11月に大阪で起こった、高層階からの消火器投げ落としによる女児の死亡事件などはこれを象徴する事件である。
高層住宅という環境における集団生活への不適応は「住環境ストレス」という形で表れ、その処理の仕方によっては育児にも影響する。周辺への騒音・振動に気を遣うあまり、家の中では子どもを静かに遊ばせ、高層集合団地では園に行っても周辺住民に気をつかって自由に大声も出せない。このような環境下で、子どもたちが本来もっているエネルギーのはけ口はいったいどこに求められるのだろうか。TVに釘付けになり、ゲームでバーチャルの世界に浸る不活発な子ども、協調性のない乱暴な子どもが出てくる背景はこんな環境にあるのかもしれない

第3節 高層マンションの今後
高層マンションが将来ビのように変貌するかを予測するには十分時間経過していないため、多くの人々の不安が表面化し社会化する前に大量の超高層ストックが広範囲こ形成されつつある。
 具体的には、①超高層化がもたらす居住者への健康影響、②大量化した超高層住のストックの都市環境およぴマンション中古市場に与える影響③超高層住宅であるが故にかかえる維持管理上の問題。
 地球環境の視点から都市を見直すると、建物を高層化して緑地の増大を図ることは放出エネルギーの集約につながる。しかし、実際の超高層マンションによる市街地再開発では、既存市街地のなかに容積率を緩和させて人口密度を高め、エネルギーの放出を助長させている。急激な人口流入によるインフラの整備も自治体にとって大きな課題となっている。これに加えて、本管理上の課題、個の生活上の問題が潜在しているのである。
 さらには、超高層マンションが建つことによる周辺に及ぼす影響も無視することができない。

2007年11月23日金曜日

管理組合の崩壊

「えっ!?ここのマンション事務所やっていいの?」「犬飼ってる?何で?」「駐車場は順番待ち??何年かごとに抽選だって聞いたのに!」
入居後、建物の不具合の他にこういった問題が出てくる。そして、そういう不満から、その問題の対象である居住者に対する偏見が生じることもある。
こういったことは、購入前に管理規約や使用細則等の案を読んでいればわかること。規則どおりの行動をとっている人は決して悪くはない。住民同士のちょっとしたいさかいは、勉強不足による無知から生じることが多い。 
 ある管理組合で起こったことだ。「・・庭のあの木は邪魔ですよね。うちは切りましたよ。」「そうそう、家も庭に水をまくのに、壁に穴あけて水道通したんですよ。」「えっ!木を切った?!壁に穴あけた?!」総会で判明したこれらの事実に、皆はポカンと口をあけただけで何もいえなかった。
外壁や専用使用を許された庭は、皆の共用部分である。共用部分に細工を加えるには、総会の決議が必要だ。決議なしで自分で勝手に工事をすることはできない。管理規約をきちんと読みこなしていれば当然にわかることだ。しかし、法律条文に近い管理規約等を読みこなしている住民は少ない。
マンションにはルールがある。それを守らないで周囲に迷惑をかけ、トラブルになる例は後を絶たない。ごみ出しのルールを守らない住民に対し何度か注意をした理事長が刺殺された。
マンションを購入した。一家の主になった。これは、専有部分を好きにできる権利を買ったということだ。共用部分は皆で買ったもの。トラブルをまねかないためには努力がいる。
住民の中には、マンション管理に興味を持って熱心に勉強する人もいる。その人が穏健な人ならば、その知識を上手に利用できるように仕向けてくれる。しかし、勉強家は、えてして批判的になってしまう。知識を振りかざし理事たちに攻めかかる。一方理事は、とにかく自分の代だけ何とか攻撃から逃れようとする。
理事が輪番制で交代する管理組合で、定期総会(理事の新旧入れ替わりがある)の1か月前に、「全理事不信任案」が可決された。自称勉強家?のなせる業であった。管理組合は静かになった。住民の互いの雰囲気がよそよそしくなった。
ある勉強家は、管理会社の仕事の費用対効果について疑問があるとして理事に何とかしろと詰め寄った。理事たちは、知識を求めて管理会社に擦り寄った。管理が住民のものでなくなった。管理会社のいいようになっていく。勉強家は、自分の所属している組合打倒に燃えている。
マンションは所有者皆のもの。所有者皆で管理責任を自覚し、コミュニティ形成に努めるもの、管理規約にもそう書いてあるのだが、意見の違い、方法論の違いが管理組合を崩壊へ導いていく。

2007年11月6日火曜日

住宅ローンの返済期間

不動産会社に作成してもらったという資金プラン表の住宅ローンの返済期間の設定は、ほぼ最長の35年である。その理由はこうだ。借入額が同じである場合、返済期間を長く設定すればするほど、毎月返済額が少なくなる。だが、忘れてならないのは、最長期間による返済は、完済時までに支払う利息の総額が最大となることだ。つまり最長期間に基づいた資金プラン表は、毎月返済額を最小に見せるものであり、その影には、支払い利息の総額が最大となる裏の顔がある。住宅ローンを利用者は、返済期間に無頓着である。目先の金利の低さばかりに心を奪われ、超長期にわたって支払い続ける住宅ローンの総額がいったいいくらになるのか、計算したことがあるだろうか。3000万円を3%。元利均等返済35年間で試算すると、支払い総額は約4850万円。利息額は約1850万円にもなる。これが25返済であれば、支払利息の総額は約1270万円。580万円の差額となる。1年単位で短くできないかという課題にもっと真剣に取り組むべきである。
返済期間の設定にあたっては、「定年までに」の合言葉があるが。住宅ローンを勤労収入のあるうちに完済しようと考えるのは当然のこと。しかし、現状を考えると、35歳の会社員が35年の住宅ローンを組めば、完済は70歳となる。定年後の10年間、公的年金の支給が65歳からとなる。定年後も働くか、貯蓄を取り崩すか、退職金で完済するか。どれも現時点で考えると心細く安心できるものはない。借り入れ時に、自分にとってのベスト返済期間を見つけ組むことが一番である。賢い返済期間の選択が必要である。